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ハンドピースの種類や特徴、選び方のポイントなどUPしてます!

ハンドピースの種類・選び方

ハンドピースの選び方

ハンドピースは、塗料を霧状にして噴射する道具ですけど、色々と種類というか、仕様に違いがあります。

個人的に最初の1本にオススメなのは、ダブルアクションのカップ一体型、口径0.3mmのハンドピース。これが最もオールマイティに使えます。

ハンドピースについてまとめると、だいたい以下のような感じになるかなと思うので、1つずつ紹介してみたいと思います。

動作方法の違い

ハンドピースには、写真左から「ダブルアクション」、「トリガーアクション」、「シングルアクション」の、3タイプがあります。

ダブルアクション

まず最も一般的なのが、このダブルアクションタイプ。

ダブルアクションタイプは、①ボタンを押すとエアーが出て、②そのままボタンを引くことで塗料が出るハンドピースです。

ボタンの引き量を多くすると塗料の噴出量も多くなり、塗装中でも自由に塗料の排出量をコントロール出来ます。ボタンの押し具合でエアー圧を調整することは出来ず、ボタンを押せば常にエアーは全開状態になります。

細吹きのグラデーション塗装から艶有りのベタ塗りまで、とてもスムーズに使えるんですけど、長時間の使用だと指が疲れやすいかもしれないです。

ボタンタイプを長時間使って指が疲れる場合、部品を交換してボタンを押さなくてもエアーが常に出ている状態にしておく事もできます。

部品はハンドピースに元々ついている、写真左側の「エアーバルブジョイント」を、右側のタミヤの「エアージョイント」に交換します。

タミヤのハンドピースには、最初から「エアージョイント」が付属してます。タミヤのカスタマーサービスでも単体で注文可能で、値段は600円程です。

写真左の所、ここをエアージョイントに変えておくと、ボタンを引いて塗料の出具合だけを調整すれば良いので、かなりラクになりますよ。ボタンを引かなければ塗料は出ないので、特に不具合もありません。

ただし、右の写真みたいな、エアーバルブジョイント部分が本体と一体になってるハンドピースは、交換することが出来ないです。

トリガーアクション

トリガーアクションは、エアーと塗料をトリガーの引きだけで調節するタイプのハンドピースです。

トリガーを少し引くとエアーだけが出て、さらに引くと引き量に応じて塗料の噴出量も多くなります。

トリガーを引けばエアーは常に全開状態になり、エアー圧の調整は出来ません。トリガーを少し引けばエアーが少しでて、多く引けばエアーが多く出る、という事はないです。

トリガータイプの方が指が疲れにくく、長時間の作業でも楽ですけど、繊細な迷彩塗装などはボタンタイプのダブルアクションの方がやり易いと思います。

ダブルアクションとトリガーアクション、どちらが良いかは使用目的やそれぞれの好みだと思いますけど、ベタ塗り中心で迷彩塗装やグラデーション塗装をあまりしないのであれば、トリガータイプが便利かも知れないです。

シングルアクション

シングルアクションは、ボタンを押すとエアーが出るのはダブルアクションと同じですが、塗料の噴出量は後ろのダイヤルを回して調整する必要があります。

なので、塗装しながら塗料の噴出量(吹き幅)を調整する事ができないんですよ。これは正直、かなり使いにくいです。

また、ボタンを押してない時でも、ダイヤルを回してニードルを引いた状態にしておくと塗料が垂れてくるので、作業を中断する度に毎回ダイヤルを回してニードルを戻しておく必要があります。

塗装を終わってダイヤルを閉め忘れたりすると、塗料が垂れ続けてしまう場合があります。。

シングルアクションは初心者向きなどと紹介されてるのを時々見ますけど、操作は複雑で難しく、用途を限定して使う上級者があえて選ぶなら良いと思いますけど、初心者が使う最初の1本には向いてないと思います。

シングルアクションは多少価格が安い以外は殆どメリットがないので、正直、買わない方が良いんじゃないかなと思います。個人的にはあまりオススメ出来ないハンドピースです。

カップ一体型 or 分離型

塗料カップが本体と一体になっているタイプ(写真左)と、分離できるタイプ(写真右)がありますけど、基本的には一体型がオススメです。

と言うのも、分離型は掃除がめんどくさいです。

カップと本体の接続ネジ部分に塗料が残りやすいんですけど、ここに塗料が残ってると、次に塗る色に混ざってしまう場合があるんですよ。

特にメタリック色の後に通常色を塗ったりすると、メタリック色が混ざって「なんかキラキラしてるなあ・・」、なんて事になったりしますから。

そうならないためにも、このネジ部も筆や綿棒等を使って、念入りに掃除しておく必要があるのですが、これがけっこう面倒。。

あと、シンナーで”うがい”をして清掃するときも、分離型は一体型に比べてシンナーが飛び散りやすく、蓋をしておく(もしくはティッシュなどで塞いでおく)必要があるのもちょっと面倒です。

ただ、分離型は塗料カップを大容量タイプに変更出来るというメリットもあります。

左の写真は、タミヤのハンドピースですが、塗料カップを別売の樹脂製大容量カップに交換してみたところ。

塗料を多く必要とする大面積の塗装には、大容量カップに交換しておけば、塗料を継ぎ足すことなく一気に塗れて便利です。

分離型はサフやクリアー色専用などに使用して、通常使用には掃除の簡単な一体型が良いんじゃないかなと思います。掃除が面倒だと、使うのがだんだん面倒になってきますから・・。

ノズル口径

ノズル口径というのは、塗料が出てくる先端の穴の大きさの事で、色々とサイズがあり、最も基本的な大きさは0.3mmです。

右の写真の左側がノズル口径0.2mm、右側は0.5mmですが、穴の大きさが違うのが分かると思います。口径が大きければそれだけ塗料の出る量も多くなるので、口径が大きいほど大面積の塗装に、小さければ細かい迷彩塗装に向いてます。

最初に1本買うなら、作るジャンルが色々でオールマイティに使いたい場合は口径0.3mmが良いと思いますけど、艶有り塗装やベタ塗り中心に使うなら、口径0.5mmがオススメです!

0.5mmは塗料の排出量が多く、濃い目塗料を吹き付けられるので塗装時間が短縮出来るし、艶有り塗装をキレイに仕上げやすく、粒子の大きなサフや金属色も目詰まりしにくく、塗装しやすいです。

特にカーモデルなどの艶有り塗装は、0.5mmの方が随分簡単に、そしてキレイに塗装することができます。迷彩やグレデーション塗装も、あまりにも繊細でなければ十分可能ですし、結構メリットは大きいと思います。

吸い上げ式 or ドロップ式

写真左が吸い上げ式、右がドロップ式。カップがハンドピースの上側についてるか下側についてるかの違いです。

写真左の吸い上げ式は安い入門モデルですが、ちゃんとしたダブルアクションタイプの吸い上げ式も発売されてます。

個人的にダブルアクションの吸い上げ式は使った事がないんですけど、ビンごと塗料を交換できるので、サフやクリアー専用など用途が決まってるなら結構便利なのかな、と言う気がしてます。

でも、清掃がめんどくさそうだったり、塗料が少量の場合使いにくそうな感じもするので、最初の一本はドロップ式が良いように思います。

キャップ形状の違い

左が円筒型、右が王冠型のニードルキャップです。

王冠型の方はハンドピースを近づけて塗装したときも、エアーを周囲に逃がして、塗料の跳ね返りを防ぐメリットがあるみたいなんですけど、個人的には違いが実感できません。。

それよりもハンドピースの洗浄方法の違いが、けっこう大きいと感じてます。

カップを洗浄する時に円筒型はキャップ先端を指で塞いでうがいをするんですけど、王冠型の方はキャップを緩めてうがいをするようになってます。

個人的にはどちらかというと、円筒型のキャップ先端を指で塞いでうがいをする方が、手間がかからず好みです。

王冠型でも馴れればそんなに不自由な感じはしないんですけど、この辺はそれぞれの好みだと思うので、好きな方を選ぶのが良いじゃないかなと思います。

その他の違い

エアアジャストシステム

GSIクレオスには、ハンドピース本体でエアー圧力を調整出来る、「エアアジャストシステム」機構が付いているプラチナシリーズのハンドピースがあります。

これは、カップ下のネジを回すことで圧力を0~最大までスムーズに変更することが出来る機構です。

クレオスのレギュレーターで圧力調整すると、最初の一吹きは最大圧力でエアーが出てしまいますけど、エアアジャストシステムだと最初の一吹き目から設定した圧力で吹きつけられるので、ストレス無く快適に使えます。

細吹きやグラーション塗装を行うときなど、ちょっと圧を低くしたい時に手元ですぐに圧力を調整出来るというのは、けっこう便利です。

エアアップ機構

クレオスから発売されているハンドピースには、「エアアップ機構」という、エアー圧力を僅に上げることが出来る機構がついているものがあります。

口径0.5mmのハンドピースを使い、クレオスの「リニアコンプレッサー L7」を使って圧力を測ってみました。

こちらはエアアップ機構の無い口径0.5mmのクレオスLWA(PS-266)の圧力。ちょうど0.11MPaです。

同じく口径0.5mmで、エアアップ機構付きのトリガータイプ「PS-290」だと、圧力はちょっと上がって 0.115MPa程になります。

ホンのちょっとですけど、低圧コンプレッサーを使ってる場合などは、エアアップ機構が無いよりはあった方が良いと思います。

ハンドピースはどれが良い?

個人的に1本のハンドピースで色んな塗装をするのなら、ダブルアクションのカップ一体型、口径0.3mmのハンドピースが良いと思います。最もオールマイティーに使えて掃除も簡単です。

ただし、車やバイクなど迷彩やグラデーション塗装をあまりしないベタ塗り中心、艶有り模型を中心に作るなら、口径は0.5mmがオススメ。

0.5mmは塗料の排出量が多く、濃い塗料を吹き付けやすいので艶有り塗装をキレイに仕上げやすいです。また、粒子の大きなサフや金属色も目詰まりしにくく、口径0.3mmより塗装しやすいんですよ。

2本買うなら、個人的には口径0.5mmと0.2mmを選びます。

迷彩塗装やグラデーション塗装は、0.3mmより0.2mmの方がずっと塗装しやすいですし、広い面積や艶有り塗装、サフや金属色は0.3mmより0.5mmの方が塗装しやすいですから。

でも、1/35AFVや1/48飛行機の迷彩塗装なんかは、0.3mmの方がやりやすい感じもするんですよね・・。ベストなのは0.2mm、0.3mm、0.5mmと1本づつ揃えるのが理想といえば理想なんですけどね。

もっと言えば、金属色専用とかクリアー色専用のハンドピースがあるとより便利だし・・。まあ、そんなこと言ってたらキリ無いですけどね(笑)

それぞれの口径で、個人的に良いんじゃないかなと思うハンドピースを、いくつか紹介してみたいと思います。

口径0.5mmのハンドピース

0.5mmは、GSIクレオスの「プロコンBOY LWA /PS266」が使い勝手が良く、ベストなハンドピースなんじゃないかなと思います。

カップ容量は15ccと大容量で、面積のある模型や多数のパーツを塗装するのに便利。艶有り塗装をキレイに仕上げやすく、粒子の大きなサーフェイサーや金属色も、目詰まりせずにスムーズに吹き付けられます。

カップ一体型で掃除もしやすく、ダブルアクションタイプで非常に使いやすいハンドピースです。口径0.5mmの決定版と言って良いと思います!

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口径0.3mmのハンドピース

口径0.3mmはタミヤの「 HG エアーブラシ カップ一体型(74537)」(写真左)や、クレオスの「プロコンBOY WA(PS274)」がベーシックで使い勝手も良いと感じてます。

どちらもカップ一体型のダブルアクションタイプですが、クレオスの方は先端キャップが「王冠型」で、タミヤは「円筒型」です。それとタミヤの方はカップに横溝が掘ってあり、こぼれた塗料が垂れにくくなってます。

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口径0.2mmのハンドピース

口径0.2mmは、タミヤの「HG スーパーファインエアーブラシ」が非常に使い勝手が良いです!

カップ一体型で、特に塗料カップ容量は3mlと小型なので、ハンドピースが軽くて取り回しやすいです。先端も見やすいので、細かい塗り分けがストレスなく塗装できます。

容量10cc程の塗料カップだと、近づけて塗装する時にカップが邪魔で、ハンドピース先端が見にくいんですよね。小型の塗料カップは、近づけて塗装する事の多い細吹きには大きなメリットだと思います。

迷彩やグラデーション塗装は0.3mmでもそれなりに出来ますけど、0.2mmを使って見ると圧倒的にやりやすいので、細吹き用に1本持っておくと、塗装の幅がグッと広がると思いますよ!

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その他のハンドピース

写真はタミヤ「スプレーワーク・ベーシックエアーブラシ」に付属してるハンドピースで、単体でも2500~3000円程で購入できます。

エアーは常に出っぱなし状態で、トリガーではニードルの引き量だけを調整する仕組みになってます。

繊細な迷彩やグラデーション塗装はちょっと苦手ですけど、それ以外は何の問題もなく塗装出来るので、サフや金属色、クリアー専用に持っておくとけっこう便利かもしれません。

右は分解してみたところですが、Oリング等も簡単に交換できるようになってます。

ただし、このベーシックエアーブラシをタミヤのベーシックコンプレッサー以外に繋げる場合、「ベーシックエアーブラシ用接続ジョイント/74536」が必要になります。

ネジのピッチが一般のハンドピース接続用ホースのピッチと異なるので、接続ジョイントを取り付けないと、取り付けられないんです。

300~400円程なので、ベーシックコンプレッサー以外に繋げる場合は、一緒に買っておくと良いです。

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