プラモ撮影用の面光源照明&撮影ブースの自作
プラモデル写真撮影用の面光源照明&撮影ブースがあると、写真のクオリティがグッと上がります!
撮影ブースに模型を入れて撮るだけで、簡単にキレイな写真が撮れるようになります。またバックにグラデーションペーパー等を設置して撮影すれば、さらに撮影の幅が広がります!
市販品でも色々ありますけど、ポイントは光を拡散させて面で発光出来るようにすることで、構造自体は単純です。
ここのページでは、自作の行程などを簡単に紹介してみたいと思います!
1.面光源照明の自作
まずは、照明のセード(傘)部分を作っていきます。
今回は不要なダンボールで組み立てることにしました。
「プラダン」という、プラスチック製段ボールのような物が売ってあるので、それでも良いと思います。
撮影ブース本体にはA2サイズのカッティングマットをセットする事にしたので、それに合わせて横65cm、奥行き45cmの範囲を照らせるように、ダンボール片を4枚切り出しました。
カットする際には、段ボールの”目”が横方向になるようにしておきます。
ダンボールの目に沿って、1本ずつカッターで切れ込みを入れていくことで、スムーズに折り曲げられ、セードの曲面をキレイに作れます。
写真右は今回作ったセードとは形が違いますけど、こんな感じで仮組して、セードの形が好みになるように曲線部分を調整します。
曲線具合が決まったら、曲線部分を他のダンボールに写し、全て同じ曲線になるようにカットしていきましょう。
あと、接着面の部分は、斜めにカットしておくと4枚を接着する際にキレイに接着できます。
そして内側にはアルミホイルを貼り付けて、余分な部分をカッター等で切り取っておきます。アルミホイルの接着は木工用ボンドで行いました。
アルミホイルは光が乱反射して、より均一に光が回ってくれるようシワをつけてみましたけど、これはシワは付けない方が良かったかも?しれません。
とりあえず、完成して使って見たところ問題はなさそうですけど、ちょっと効果があるのかないのか分からないです。
アルミホイルにシワをつけるときは、丸めてから伸ばすのではなくて、伸ばしたまま指で少しずつつまんでシワをつけると、アルミホイルが破けにくいと思います。
そして、4枚の段ボール片を木工用ボンドで貼り合わせます。ボンドが乾くまで、テープで仮止めしておきしょう。
あとは天井部分に電球ソケットを設置する為の穴を開けた、2mm厚ベニア板と段ボールを接着。この後天井部分にも内側からアルミホイルを接着しておきます。
ベニア板の丸い穴は、サークルカッターでカットしました。
この穴は、後でセットするソケットとほぼ同じ大きさにしておきます。大きすぎると、ソケットが抜けてしまい固定できないです。
そしてセード底面には角材も取り付けておきました。
角材は後でトレーシングペーパーを貼るときに、特に左の写真の用に段ボールに折れ目部分があると段ボールが歪みやすく、キレイに貼れないので、セードの歪み防止のため取り付けてみました。
角材をセードの寸法にカットして、最初に床の上で長方形の形に接着してから、セード底面に木工用ボンドで接着してます。
光源には電球型蛍光灯を使いますが、ソケットはホームセンターで売ってある、E26口径用のプラソケットを使いました。
これに電源プラグのあるコードを半田付けして、コードを延長しておきます。(※後で気づきましたけど、コンセントが付いてるソケットもあったので、それを使うのが早いと思います。スイッチ付きもありました。)
スイッチは付けなかったので、延長コードに付いてるスイッチでON・OFFする予定です。
電球型蛍光灯をセットしてみたところ。上からソケットをはめて、内側から電球型蛍光灯をセットし、挟み込む形で固定してます。
使った蛍光灯は東芝の電球型蛍光灯、昼白色21Wタイプ。
上面にはセードを天井からつり下げられるように、フックを5つ取り付けてます。
5つ付けたのは、セードの向きを縦・横どちらにも向けられるようにですが、完成して実際に使って見たら、縦方向は使うことがなさそうです。
つり下げは3本のワイヤーで行いますが、フックを付ける部分は裏側から5mm厚の木材片を接着して強度を高めておきました。
最後に、トレーシングペーパーを底面に貼り付けます。
トレーシングペーパーをセットする事で光が拡散され、電球という1つの点ではなく、”面”の状態で全体が発光するようになります。
トレーシングペーパーは、通常の袋入りタイプは小さいサイズしかなかったので、幅841mm、長さ20mのロール状のものを買いました。
こんなには要らないんですけどね・・。
でも小さなトレーシングペーパーをつないで作ると、艶有りの模型などではつなぎ目が写るので、1枚で仕上げた方が良いです。
トレーシングペーパーの貼りつけは、まずセード底面の木材部分に両面テープを全面にわたって貼り付けておきます。
そして、ベニア板等の平らな物に、セード底面より大きめにカットしたトレーシングペーパーをテープで仮止め。シワが出ない程度の、弱いテンションをかけて仮止めしてます。
その上からセードを置いてトレーシングペーパーを固定。余分なトレーシングペーパーをカッターナイフでカットして、取り付けました。
比較的シワにならずキレイに貼れましたけど、完成後しばらくしたらちょっとシワが出て来てました。。
ただ、多少シワがあったり、弛んでたりしても撮影には特に問題無いみたいです。
これで、照明のセード部分は完成です!次は、天井からセードを吊していきます。
撮影ボックスに載せるだけなら吊す必要は無いですけど、吊せるようにしておくと、大型模型の撮影や艶有り模型の撮影時などに便利です。
ワイヤーを3本使って、つり下げることにします。使ったのは、ニッサというメーカーの「フック付きワイヤーロープ Y-311」。
これはフック上部を押すことで、フックの位置を自由に変更出来るようになってるので、照明の高さや角度を自由に変更できます。
今回は押し入れに取り付けることにしたので、天井からワイヤーをつるせるよう、突っ張りポールも購入。ポールは100円ショップにもあります。
つっぱりポールのような棒状の物にワイヤーを通して置くと、照明を前後にも動かせるので、ヒートン等でワイヤーを固定するよりも便利だと思います。
突っ張りポールだけだと強度不足で落ちてきそうなので、角材でつっぱりポールを支える物も作ってみました。
これなら、賃貸住宅でも壁に穴を開けたり釘を打ち付けることなく、確実に取り付けられます。
あとは、押し入れの天井部分にこれらを設置、セードをフックにつり下げれば完成です!
セードの位置は自由に上下できます。右の写真のように下げることも出来れば、反対に天井ぎりぎりまで上げることもできます。
斜めに角度を付けたり、セードの向きを縦にすることも出来ます。高さ調節は予想していたよりもスムーズで、かなりやりやすいです。
次は、撮影ブース本体を作っていきます!
2.撮影ボックス本体の自作
撮影ボックスがあると、光が全体に満遍なく回るので、何も考えなくても手軽にキレイな写真が撮れます。
照明をつり下げられるようにしておけば、撮影ボックスは不要と言えば不要なんですけど、あったらあったで便利だったりします。
撮影ボックスといっても、照明を載せるだけの四角い箱を作るだけなので、セードを作るより簡単です。
撮影ブースですが、ダンボールと強度確保のため2mm厚のベニア板を使って、木工用ボンドで組み立てました。
ブース内寸は、A2サイズのカッティングマットをセットできるよう、奥行き45cm、幅65cm、そして高さは36cm程に設定。
カッティングマットのサイズは、製作途中の写真等をHPにUPする際に、A2サイズ程度あれば対応出来るかな、という事で決めました。
以前、幅40㎝ほどで撮影ブースを作りましたけど、幅40㎝だとけっこう小さな物しか撮影出来ないんです。
箱には入るんですけど、後ろの両サイドが足りなくなってしまいます。写真の恐竜はベースサイズが幅30㎝ほどですけど、このサイズでもダメですから。
A2サイズ程度あれば、1/350艦船模型以外は大体撮影可能だと思います。
本当は高さももうちょっとあった方が良いかもしれないですけど、今回作ったブースは以前作った幅40㎝の撮影ブースを拡張して作ったので、高さはそのままにしてます。
ただ、高さは36cmでもこれといった不都合は感じてないです。これでサイズが足りないときは、つり下げて使う事になります。
組立て後、ブース内面には光が満遍なく回るよう、レフ板として白の画用紙を貼り付けておきます。
あと、ブース上部の外側にはセードがズレ落ちないようベニア板を接着しました。
写真はカッティングマットを敷いてますが、背景全てを白で撮影する場合は、この上から白の画用紙を置いて撮影してます。
グラデーションペーパー等をセットしても良いと思います。
そして、撮影ブースの上に照明を置けば完成です!
電源を入れれば、ブースの上面すべてが発光している状態になります。分解は出来ないので、この状態で押入れの一角に常設することになります。
場所を取るのがこの自作ブースの欠点ですけど、撮影の為に準備する必要はないので、その点は楽です。
▶次は、この照明&撮影ブースで写真を撮っていきます!
- 写真撮影に必要な機材・道具類
- デジカメの設定・撮影のコツ
- 面光源照明&撮影ブースの自作(このページです)
- ブースを使った実際の撮影方法