プラモデルの研ぎ出し・簡易版
研ぎ出しはキッチリ行えば非常にキレイな鏡面が得られるんですけど、なんだかんだ時間もかかるし、気を使うので正直ちょっと疲れてしまうんですよね・・。
もうちょっと手軽に、でもキレイに仕上げたい場合は、一度中研ぎをしてから「クリアー塗装+コンパウンドでの艶出し」をしても、結構キレイな鏡面に近い塗装面が得られますよ!


写真左はデカールを貼ってラッカー系クリアーの砂吹きを終えたところ。ここからクリアーを厚吹きして、乾燥後ペーパーでデカールの段差や塗装面のみかん肌状態をキレイに均して、右の写真の様な状態にします。
ここまでの作業工程は、
研ぎ出し・鏡面仕上げのページにUPしている、「2.ペーパーがけでデカールの段差を消す」までと同じです。
通常の研ぎ出しの場合は、ここからバフレックスで水研ぎを行い、コンパウンド掛けで艶を出していきますが、今回はここからもう一回クリアーを塗装していきます。
今回の場合は上から再度クリアーを塗るので、デカールの段差や塗装面のみかん肌を消す時には、1000番のペーパーで仕上げていてもほぼ大丈夫です。
場合によっては若干キズが残る場合があるので、心配な場合は1200番で仕上げておくのが無難です。

2回目のクリアー塗装に使ってるのは、1回目と同じボデーぺーンクリアーですが、今回はレべリングシンナーを使用して薄めておきます。
レべリングシンナーで薄める事で、塗装面を平滑に仕上げやすくなるので、艶出しもより簡単になります。
ボデーペンの他に、クレオスの「GX100 スーパークリアーV」等を使っても良いと思います。
今回のクリアー塗装は表面に艶を出すのが目的なので、多少薄めに希釈して、塗装の際もあまり厚くならないように塗っていくのがポイント。

2回目のクリアー塗装が完了した状態。このままクリアーの吹きっぱなしで終わってもOKです。
でも、ボデーペンクリアーの場合は、クリアー塗装後30〜40分程乾燥させてからコンパウンドで磨いてやると、より鏡面に近い仕上りになってくれますよ!
30〜40分の乾燥だとまだクリアーが半乾きの状態ですけど、この状態で磨くとクリアー表面が伸びるというか、表面の梨地がけっこう簡単に平滑になってくれるので、楽に鏡面状態になってくれます。
夏場は乾燥時間を短く、冬は多めに取っておきますけど、この辺はだいたいで適当です。ボデーペン以外のクリアーだと、また適度な乾燥時間は変わってくると思います。
広い面積や入り組んだ所などは完全な鏡面状態にしにくいですが、かなり鏡面に近い状態が得られると思います。


コンパウンドは、タミヤの青いキャップの「細目」を使って磨いてます。
磨き布は別に専用品でなくても、適当な柔らかい布で問題無いです。ただ、ティッシュは意外と硬くボロボロになる上、大量に消費してしまうのでコンパウンドでの艶出しには向いてないと思います。

コンパウンドを布に付けて、
多少力をいれて磨いていきます。そうすると、半乾きのクリアーが伸びて、良い具合に艶が出てくれますよ。
クリアーを乾燥させすぎてしまうと、なかなか梨地が消えてくれないので、半乾きで磨きに入るのがポイント。
凹んだところや入り組んでる所等は綿棒を使って磨いてやりますが、2回目のクリアーを塗装した事でそれなりにキレイな塗装面になってるので、あまり無理に磨く必要もないと思います。
角の部分は下地が出やすいので、布を当てすぎないように注意しながら磨いていきます。
それとクリアー塗料がまだ半乾きの状態なので、
爪が塗装面に当たると形がついてしまう場合があるので、注意しておきましょう!
半乾きの状態で磨いているので、次の日にはクリアー塗料の乾燥が進んで若干艶が落ちてしまう場合があるので、翌日にもう一度軽くコンパウンド(細目)で艶を出してあげると良いです。

そして最後に、タミヤの仕上げ目で磨き、パーツについたコンパウンドを中性洗剤を付けた歯ブラシで落としてやれば、艶出しは終了です!
部分的にキッチリした鏡面にはならない所もありますけど、おおむねキレイな鏡面が得られると思います。
ペーパーの磨きキズを完全に消す必要もないので、けっこう手軽に仕上げることが出来ますよ。
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