プラモデル・デカールのトラブル対策&疑問解決
デカールが千切れたり、動かなくなったり、気泡が入ったり、白浮きしたり、糊が弱くて剥がれたり・・
デカールを貼ってると、色々トラブル出てきませんか?貼る際には注意していても、トラブルが起きてしまうものですが、けっこう解決策もあったりします。
このページでは、そんなデカールのトラブル対策をいくつか紹介してみたいと思います!
気泡が入った場合の修正方法
デカールを密着させた後、写真左の矢印部分のように気泡が入ってしまってた場合の修正方法です。右は修正後。
修正の手順としては、
まず気泡が出来てる部分にマークセッターを少し塗り、気泡をデザインナイフ等で軽くつついてセッターを気泡内部に入れます。そして綿棒で押さえつければ修正完了です。大概は目立たない程度に修正出来ると思います。
デカールのシルバリング(白浮き)を防ぐには?
「シルバリング」とは、デカールがパーツ(塗装面)と密着せず、間に空気が入りこんで、左の写真の様に白く浮いてしまったようになる事です。
シルバリングは微妙な凹凸があるつや消し塗装面に貼った時、デカールの糊が弱い、デカールが硬い場合などに起こりやすいです。
シルバリングを防ぐには、出来るだけ塗装面を滑らかにしておく事と、マークソフター等の軟化剤や蒸しタオルを使い、デカールをパーツ(塗装面)の凹凸にしっかり密着させるのがポイント。
メタリック塗装やつや消し塗装の場合は塗装面が荒れているので、デカールを貼る前に一度クリアーを軽く吹いておくと、塗装面が滑らかになってシルバリングを防ぎやすくなります。
もしシルバリングが起きてしまっても、ラッカー系クリアーを薄く砂吹きしながら塗り重ね、研ぎ出しすると最終的にはだいたいキレイに仕上がってくれます。(写真右)
シンナー成分がデカールに染みこみ、軽くデカールが溶けることで密着して直ってるんだと思いますが、糊でくっついてるのとはちょっと違うと思うので、デカールは剥がれやすい状態になってるかもしれないです。
上にクリアーが乗ってるのでそう簡単には剥がれないと思いますけどね。
乾いた糊の汚れを拭き取るには?
デカールを貼ると周辺に糊が残って、水垢みたいに汚くなってしまう事がありますよね。完全に乾く前に、綿棒等に水を含ませて拭き取ればほぼ取り除けますが、乾いてしまうと水では拭き取れなくなってしまいます。
そんな時は綿棒やティッシュに「Mr.マークソフター」を含ませて拭き取ってやると、だいたいキレイに取り除く事がが出来ます。
デカールの糊が弱く、剥がれてしまった場合
デカールが古かったり、艶消し塗料に貼ってシルバリングを起こしていたり、水につけすぎたりして糊が流れてしまうと、時間がたってデカールが剥がれて来ることがあるんですよね。
左の写真のデカールは、完成後半年ぐらいしたらデカールが一部剥がれてしまいました。硬くて軟化しにくいデカールだった上、半艶ブラックの上に貼ったのであまり密着してなかったんでしょう。
こういった場合は、「デカールフィクサー」や「Mr.マークセッター」を塗ってやると、またくっついてくれます。
まずは剥がれた部分にデカールフィクサーを塗って・・
綿棒で押さえ、念のため蒸しタオルで押さえておいたら、キレイにくっつきました(写真右)。この後、丸一日乾燥させて上から半艶クリアーを軽く吹いて仕上げてます。
「デカールフィクサー」と「Mr.マークセッター」、どっちを使うかはデカールの状態次第です。デカールが脆そうなら軟化成分の入ってない「デカールフィクサー」の方が安心だと思います。
密着させたデカールを動かすには?
これは脆いデカールだとまず剥がせないですけど、ある程度丈夫で高品質なデカールだと、多少時間がたってからでも動かせるかもしれないです。
まずは、デカールと塗装面に何か細いもの(写真はタミヤの精密ピンセット)を少し入れて、それと同時に水を含ませてやります。そしてまたデカールを剥がしつつ水を行き渡らせて・・と、少しずつ繰り返していくと、場合によっては動かせるようになります。
再度デカールを貼り付ける時に、デカールフィクサーを使って糊を補強してやると、またちゃんと貼り付けることが出来ます。
黄ばんだデカールを白く戻すには?
黄ばんでしまったデカールを白く戻す方法としては、主に「太陽光(直射日光)に当てる」方法と、「キッチンハイターに漬ける」方法の、2パターンあります。
太陽光(直射日光)に当てる
まずは直射日光に当てるやり方。写真左は完全に黄ばんでしまったデカールですが、これを一部切り取って太陽光に当ててみます。
ベランダの上にマスキングテープで止めて、30分程直射日光に当ててみると・・
写真の下の方が直射日光に当てたデカールですが、明らかに黄ばみが取れてます!写真右は実際に貼ってみた感じ。
完全に黄ばみが無くなってるわけではないですけど、ハッキリ分かるレベルで白さが戻ってきてます。余白部分の黄ばみがけっこう気になるので、可能な限り切り取るとさらに目立たなくなると思います。
このデカールはさすがに黄ばみが酷いので完全には戻りませんでしたけど、ちょっと黄ばんでる程度であればほぼ新品状態にまで回復させることが可能です。
日光に当てる時間ですが、写真は30分程当てた状態で撮影してます。その後1時間、2時間と当ててみましたけど殆ど変化がなかったので、あまり長時間当てても変化はないのかもしれません。
キッチンハイターにつける
もう一つはキッチンハイターにつける方法。
キッチンハイターの原液に5分ほどつけてみたのが、右の写真。若干は白くなりますけど、太陽光に当てたとき程ではない感じです。
それと、キッチンはターにあまり長く漬けるとデカールがダメになってしまうので注意しておいた方が良いです。
デカールにもよると思いますけど、5分程度が限界じゃないかなと思います。何より、あまり長く漬けておくと色が抜けてしまうんですよ。
写真は上が「元のデカール」、中が「キッチンハイター原液に10分程漬けたデカール」、下が「太陽光に30分当てた後、キッチンハイター原液に5分漬けたデカール」です。
真ん中はキッチンハイターに漬けすぎて、一部溶けてシワになってる上、色が抜けて来てます。
白や黒のデカールはそんなに違和感ないですけど、色が付いてるデカールをキッチンハイターに漬けるときは、この辺気を付けておいた方が良さそう。
リキッドデカールフィルムを塗っておくと、10分程漬けていてもシワになりにくく、かなり耐えますけど、その前に色が抜けて使えなくなってしまいます。
下の太陽光+キッチンハイター5分が一番白さが戻りましたけど、これもちょっとデカールが一部溶け気味になっちゃいました。キッチンハイターは慎重に使う必要がありそう。
デカールが黄ばんでる場合は、とりあえず太陽光に30分程当ててみる事をオススメします!
完全に乾燥したデカールを剥がすには?
デカールを貼ってはみたものの、やっぱり位置がおかしいので貼り直したい・・
そんな時はデカールを剥がさないといけないわけですけど、完全に乾燥して密着してるデカールはそのままだと剥がすことが出来ないです。
ムリして剥がそうとすれば塗装面も痛めてしまうし、シンナーにつけて塗装からやり直すと大変なので、何とかデカールだけキレイに剥がしたいところ。
そんな時は、デカールを貼った上にティッシュを置いて「Mr.マークソフター」を染みこませ、乾燥しないよう袋に入れて密閉状態にし、しばらく放置しておくと(写真は2時間ぐらい放置してます)キレイに剥がすことが出来ます。
ただ、剥がしたデカールはもう使えないので、アフターサービスで購入しないとダメですけど。。
薄くて破れやすい、古くて脆いデカールの補強
薄くて破れやすいデカールでも、破れにくく安心して貼れるようになり、曲面にも馴染ませやすくなるスグレモノがこれ、マイクロスケール社の「リキッドデカールフィルム」。
この「リキッドデカールフィルム」をデカールを水につける前に塗っておくと、デカールの余白みたいな、透明な薄い膜が出来て破れにくくなります。
タミヤのデカールは全般的に薄く破れやすい感じがしているので、個人的には安全の為ほぼ毎回塗るようにしてます。
使い方としては、デカールの上から筆で塗るだけでOK。乾燥が非常に早いので、大きめのデカールは幅広の筆で素早く一度塗りで仕上げるのがポイント。
厚く溜まってしまっても、10~15分で乾いた後はデカールの余白みたいな、非常に薄い透明な膜になってくれます。
基本的に1度塗りで十分で、2度塗りすると強度が出すぎてマークセッターを塗ってもなかなか軟化せず、曲面に馴染ませるのがめんどうになります。
それと透明な余白が出来るので、研ぎ出ししないで仕上げる場合は、デカールの縁ギリギリでカットするようにしておくと良いです。
このマイクロスケース社の「リキッドデカールフィルム」があれば、デカール貼りがかなり容易になります。
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デカールが千切れた場合
デカールが千切れてしまった場合は、ピッタリ合わせるだけでも殆ど分からないぐらいに修正出来る場合もありますけど、つなぎ目が目立ってしまう場合もあります。
写真右は千切れたデカールをピッタリ合わせたんですけど、乾燥したら若干つなぎ目が目立ってきてしまいました。
つなぎ目が気になる場合はそのまま妥協して諦めるか、デカールと似た色の塗料を筆で塗ってタッチアップするか。
もしくは、同じ色の不要なデカールがある場合は、そのデカールを細く切ってつなぎ目に貼り、上からクリアーを吹きつけて研ぎ出しすると、色にもよりますけどかなり目立たなくなってくれます。
- 必要な用具、デカールの貼り方・基本編
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