1から始める、プラモデル・模型の作り方!
プラモデルの塗り分けに必要な「マスキングのコツ」を写真入りで紹介!

プラモデルの塗り分けに必要なマスキングのコツ

プラモデルを2色以上で塗り分ける場合、色を付けたくない部分をマスキングテープやゾル等で覆い、塗料がつかないようにして塗り分ける必要があります。

この作業が「マスキング」なんですけど、実際やってみると塗料がマスキングテープの下に滲んで来たり、曲面のマスキングがキレイに出来なかったり、塗り分けラインが毛羽立ったり・・

色々と上手く行かないことも出てきますよね。そこで、このページでは塗料を滲ませず、キレイに色を塗り分けるマスキングのコツを紹介していきたいと思います!

マスキングのポイント

キレイに塗り分けるためのマスキングのポイント等を、いくつか紹介してみたいと思います。

1.カッターで切ってキレイな面を使う

マスキングテープは、そのままだと両サイド部分が若干ささくれ立ってたり、ホコリがついてたりします。

なので、ボディの塗り分けなど確実に塗り分けたい場合は、カッターで切って面をキレイにしておくと良いです。

写真右側のマスキングテープは、左側はテープそのままで右側はカッターでカットしてます。

テープそのままの側は若干毛羽立ってたり、ラインがよれてますが、この面を使ってしまうと塗り分けラインも微妙に汚くなってしまいます。

内装など、あまり目立たないところはそれでも問題ないかもしれないですけど、きっちり塗り分けたい所はカットして使った方が仕上がりもキレイです。

2.にじみ防止の為に必ず端を押さえておく

マスキングテープが模型に密着してないと、隙間から塗料が滲んで汚くなってしまいがちです。

特に筆塗りの場合はどうしても滲みやすいので、指や綿棒、スジ彫り部などは爪楊枝などを使って、しっかり密着させておきましょう。

3.エアーブラシで塗装する

筆塗りだと、どうしてもマスキングテープの隙間から塗料が滲みやすく、キレイな塗り分けラインにならないことが多いです。

エアブラシだと、塗料を薄く乾かしながら吹き付けたり、吹き付ける方向をコントロール出来るので、テープの隙間から塗料が滲む事が少ないです。

筆塗りでキレイに仕上げたい場合は、マスキングテープを貼った後、塗り分けラインにクリアー塗料を薄く塗っておくと、滲む所にはクリアー塗料が入り込むので後から塗る塗料が滲みにくく、目立たずキレイに仕上げやすいです。エアブラシで塗装する時も有効です。

4.塗装の順番を考える

どの順番で塗装するとマスキングが簡単か、ある程度考えて塗装しておいた方がいいです。

塗装する面積が小さいからと言って後回しにすると、マスキングが大変になる事もあります。

写真は最後に内装色を塗ったら、マスキングが大変すぎした・・・。

あと、基本は明るい色から先に塗った方が良いですけど、隠蔽力の高いクレオスの「GX1 クールホワイト」等を下地に塗れば、例え黒を先に塗って明るい色を後回しにしても大丈夫な場合があるので、塗装出来る場合がある

5.シルバー塗装の上にマスキングする場合

シルバー塗料はプラスチックへの食いつきが弱く、シルバー塗装の上にマスキングテープを貼ると、剥がす際にシルバー塗装も一緒に剥がれてしまう可能性があります。

写真のボンネット部は、マスキングテープを剥がした際に、下地のシルバー色も一部剥がれてしまいました。

これを防ぐには、シルバー塗装をする前には食いつきをよくするため、必ずサーフェイサー、もしくはブラック等通常の塗料を塗装しておきます。

そして、シルバー塗料自体にもクリアー塗料を2割ほど混ぜておき、さらに上から軽くクリアーを吹き付けておくと、かなり食いつきが良くなり、マスキングテープを貼ってもシルバー塗料が剥がれることはほぼ無くなると思います。

また、上から貼るマスキングテープも手の甲などに一度貼り付け、粘着力を少し落としておくとより安心です。

6.デカールの上にマスキングする場合

デカールの上からマスキングテープを貼る場合も要注意です!テープを剥がす際に一緒にデカールも剥がれてしまう場合があります。

デカールの上からマスキングテープを貼る場合は、数回デカールの上から軽くラッカークリアーを吹きつけておくとより密着して剥がれにくくなります。

そして、テープも手の甲などに一度貼り付けて粘着力を落とし、テープを剥がす際も慎重に剥がすようにした方が安全です。出来れば、デカールの中央から端に向かって剥がれるように貼っておくとなお良いです。

ただ、剥がれても今回のようにデカールがマスキングテープから離れて残った場合は、この後マークセッターやデカールフィクサーを使って再度デカールをくっつけてやればそのまま使えます。

右の写真はデカールフィクサーを使って再度くっつけ、千切れた黒い部分は余ってた不要デカールを切り出して貼り付けて、上からウレタンクリアーを吹き付けた状態です。ほぼ違和感なく修正出来たと思います。

デカールが千切れた部分は、余ってるデカールを使えそうならそれを切り貼りし、無ければ塗料でタッチアップ、それも無理ならカスタマーサービスでデカール取り寄せるしか無いかも。

デカールがテープに持って行かれるとかなりショックなので、もうホント慎重に作業したほうが良いと思います。

7.曲線はマスキングテープの細切りで対応

マスキングテープは、基本的に曲げて貼るとシワになってしまうので直線にしか貼れませんけど、細く切ってやると(1mm幅程度)かなりの曲面にもシワにならず、馴染ませて貼ることが出来ます。

こういった3次元的な曲面でも、細切りしたマスキングテープでマスキング可能です。塗装の境目を細切りテープでマスキングして、内側はマスキングゾルを塗布しました。

ただ、こういったケースはマスキングテープが完全に密着してない所もあるので、筆塗りの場合は滲まないように塗装するのは、かなり難しいです。

塗料を滲ませずキレイに塗り分けるには、エアブラシで薄く乾かしながら塗装するのがコツです。

カーブが急で細切りしたテープでも対応できない場合は、あらかじめカッター等で曲線にカットしたものを貼り付けていきましょう。

貼る位置のカーブと大体同じようになるようにカットして貼っていきます。フリーハンドでカットしたり、コンパスカッターやハセガワのカッティングテンプレートなど使ってカットします。

一度に貼らず、いくつかに分けて貼っていくとやりやすいです。

8.マスキングテープを貼った後に切り出す場合

マスキングテープは、最初にカットしてから模型に貼るのが安全です。特に塗装後の場合は、ナイフがずれて塗装面を傷つけると修正が無理な場合もありますから・・。

ただ、自動車の窓枠部などスジ彫り部分での塗り分けで、スジ彫りがハッキリしている場合は、塗装後でもマスキングテープを貼った後にデザインナイフ等で切り出すのも有りだと思います。

スジ彫り部であれば、ナイフがずれて失敗する可能性も少ないし、ナイフのキズも目立たないですからね。

ただ、スジ彫りが曖昧だとナイフがずれて失敗する可能性が高いので、その場合は最初にスジ彫りを深く掘り直しておくか、貼った後に切り出すのはやめておいた方が無難です。

内装など、あまり目立たないところであれば、ケースによってはスジ彫り部以外でも問題ないと思います。

9.マスキングテープを剥がすタイミング

マスキングテープを剥がすタイミングですが、個人的にはボディなど艶有り塗装で、ある程度塗料の厚みがある場合は7~8割程度乾燥させた時点で剥がしてます。

塗料の厚みがある場合、完全に乾燥させてから剥がすよりも半乾き程度の方が塗り分けラインがキレイになるような気がしてます。

完全に乾燥すると微妙に塗料が欠けるような感じになる場合があるんですよね。

内装部品など、つや消しとか半艶であまり塗料の厚みを持たせず塗装している場合は、塗装後すぐ剥がしても、完全に乾かしてからでもどっちでも良いかなという感じです。

10.テープを剥がした際の毛羽立ちの処理

艶有り塗料で塗膜が厚いと、マスキングテープを外した時に塗料が毛羽立ってしまうことがあります。

これは2000番程度のペーパーで軽く磨いてやると、キレイになる場合が多いです。ただし、シルバー塗装の場合はペーパーのキズが消えないので、ホントに軽く毛羽立ちだけを落とすようにペーパー掛けしておきます。

次ページでは、ケース別マスキング例を紹介しています!

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