プラモデルの下地処理(表面処理)
表面処理は、本塗装前にパーツ表面を滑らかに仕上げる下地の最終仕上です。
一見するとキレイな面に見えるパーツも、パーティングラインやヒケ、微妙な凹凸やうねり、キズ等があってそのまま塗装するとキレイに仕上がってくれないんです。
そこで、これらの小さな凹凸や小傷を消して、パーツ表面を滑らかな面に仕上げてあげましょう!
行程としては、全体的に800番程のペーパーを当ててパーティングラインやヒケを取り除き、サーフェイサーを吹いて仕上げ、となります。
表面処理で作った下地以上の仕上がりにはならないので、カーモデルのボディやバイクプラモデルのカウル等は、キレイに処理しておきたいところ。
ペーパーがけ
まずは、パーツ全体にペーパーを当て、パーティングラインやヒケを消していきましょう。
個人的には大体800番を使ってますが、削りすぎが不安であれば、1000番あたりでも良いと思います。
ここで、隅々までペーパーを当てて平面を出しておかないと、研ぎ出しでペーパーを当てた時に下地を出す可能性があるので、特に角や隅の部分は丁寧にペーパーを当てていきます。
ペーパーがけは、塗料の食いつきを良くする「足つけ」効果もあるので、全体的に一通り当てていきます。
左の写真はまだペーパーが当たってない所があるので、これを右の写真のように、くまなくペーパーを当てて行きます。
ヒケが大きく、ペーパーを当てるとパーツを削りすぎてしまう場合は、この後吹くサーフェイサーを多少厚めに塗装してヒケを埋め、再度ペーパーを当ててヒケを消して行きましょう。
もしくはこの時点でパテ埋めして、ペーパーで整えて消しておいても良いです。無理にペーパーで削ると、パーツの形が変わってしまいますからね。
パーティングラインは、窓枠や角の部分など、一見見えないところにあったりするので、見逃さないよう丁寧に処理しておきましょう。
ペーパーを当てて削る他、デザインナイフを立てて左右に動かすように「カンナがけ」してもキレイに処理できます。
大きな平面は平らな板等にペーパーを両面テープで貼り付けて削ると、キレイな平面を出せます。
端や角、小さな面積の平面などは、ペーパーを2つ折りにして下側を少し膨らませるように持って削ると、角や端の部分を削りすぎることなく、平面を出しやすいんじゃないかなと思います。
曲面部分は、3Mやタミヤのスポンジヤスリを使うと滑らかに仕上げやすいです。3Mだと青文字の800~1000番を使う事が多いですけど、場合によっては320~600番も使ってます。
曲面をフィニッシング・ペーパーで磨くと、どうしても滑らかな曲面に仕上がにくいので(特にカーブのきつい曲面)、スポンジヤスリを使うのがオススメです。一度使うと手放せなくなりますよ!
合わせ目のパテ埋め
部品の合わせ目や大きめの段差、ヒケ等はサーフェイサー塗装後にペーパーを当てるだけでは消えそうにないので、パテ埋めしてあらかじめ消しておきましょう。写真は、タミヤの光硬化パテを使ってます。
スジ彫りを深く掘り直す
左の写真みたいにスジ彫りが浅い場合は、右のように深く掘り直しておくと、完成したときに引き締まって見えます。
このキットの場合スジ彫りがすごく浅かったので、まずはハセガワのエッチングソーで全体的に切れ込みを入れ、その後GSIクレオスの「Mr.ラインチゼル 0.2mm幅」で深く入れ直していきました。
大半のキットは、ある程度の深さでスジ彫りが入ってるので、そのラインに合わせてラインチゼルで掘り直して行けばOKだと思います。
最後に、2000番のペーパーで掘った溝を軽く均しておくと、滑らかに仕上がってくれます。
サフ吹き
写真左は全体的にペーパーを当て終わった状態。ペーパーを当て終わったら、サーフェイサーを塗装していきましょう。
サフを吹き付けて、特にこれといった傷や凹み等無ければ、表面処理は終了ですが、傷や凹み等あった場合は再度ペーパーを当てたり、パテ埋めして修正していきます。
グレーのサフを吹くと、今まで見えなかった傷や凹み、パーティングライン等が見つかることがけっこうあるんですよね。
サフを吹いた後のパテ盛りは、ラッカーパテを少量盛りつけてます。下にサーフェイサーを吹いてるので、同じパテ同士の方が馴染みが良いかな?と言う気がするので。
パテ盛りした部分をペーパーがけして、その部分に再度サフを吹き、表面が滑らかになっていれば3Mのスポンジヤスリ #1200~1500で表面を全体的に軽く均して、滑らかに仕上げておきます。
これで表面処理は終了。ボディ色がブラック、ブラウン、ダークブルーやダークグリーン等、暗めの色ならこのまま本塗装へ進みます。
ボディ色がイエローやレッド、ホワイト等隠蔽力の低い明るい色の場合は下地がグレーだとキレイに発色しないので、発色を良くするためさらにホワイトやピンク等での下地塗装を行ってから本塗装に入ります。
もしくは、最初からホワイトサフやピンクサフを吹きつけておいてもOKです。ただ、ホワイトサフはキズの具合等が見にくいので、この辺はケースバイケースで。