プラモデルの部品・パーツをキレイに切り離す
プラモデルを組み立てる際に、まずは部品をランナーから切り離しますが、切り離す時には必ずニッパーを使いましょう!
手でちぎったりすると部品が破損したり、ちゃんと組み立てられなくなってしまいますから。。
このページではパーツの切り離し方、キレイに仕上げるコツ等を紹介してみたいと思います!
1.パーツをキレイに切り離せるニッパー
ニッパーも安いのから高いのまで色々ありますけど、それぞれ使いやすさが大きく違ってきます。
写真は左がタミヤの「薄刃ニッパー」、中央はタミヤの「モデラーズニッパー」、右は100円ショップで買ったニッパーです。
「薄刃ニッパー」が一番刃が薄くて刃の合いも良く、動きもスムーズで切れ味が良いです。「モデラーズニッパー」は薄刃ニッパーより刃が厚く、精度もちょっと劣る感じ。動きはスムーズです。100均のニッパーは切れ味が悪いし、何より刃先が厚くて細かいパーツのカットには向いてないです。
左のタミヤ薄刃ニッパーはランナーとパーツの隙間が狭い場合でも部品をカット出来ますけど、100円均一のニッパーはそもそも刃が入らないです (p_-)
そして、実際にカットしてみた断面図が下記の写真。
ゲートの断面は薄刃ニッパーが一番キレイです。モデラーズニッパーは千切ったような感じ、100均のは押しつぶしたような感じでしょうか。
実際に使ってると、「薄刃ニッパー」が一番使いやすく、細かい部分のパーツもストレス無く切り離せます。もう10年以上使っていて若干ガタが出てますけど、通常使ってる分には不自由なく、耐久性も問題無いと思います。
「モデラーズニッパー」は通常のパーツであればそこそこ使えますけど、細かいパーツのカットは使いにくいです。100均のニッパーは切れ味悪いし、何より刃が厚すぎるのでちょっと使えないです。
他社からも色々発売されてますけど、迷ったらタミヤの薄刃ニッパー買っておけば間違いないと思います。amazonでも高評価です。
2.パーツの切り離し方
それでは、実際にパーツをカットしてみましょう。
部品を切り離す時は、基本的に部品からちょっと離れたところをカットして、残ったゲート跡はデザインナイフでカットして仕上げるのが、一番失敗が少ないです。
確実にキレイにしておきたい場所の場合は、さらに800~1200番程度のペーパーで均してやれば、ゲート跡の処理はほぼ問題無いと思います。
ゲートを残し気味にカットするのは、ギリギリで切り取ると左の写真のように、ゲート部分がめくれてしまう場合があるからです。
特にゲートが太い場合になりやすいです。
こうなるとパテ埋めして修正するしかないので、カットした部分が完成後に目立つ場所にある場合は、多少面倒でもゲートを少し残し気味にしてカットして、デザインナイフ等で仕上げるのが安全です。
こういう丸まった部分もギリギリでカットすると、右の写真みたいに部品の一部もカットしてしまう場合があるので要注意。
細かな部品の場合は、タミヤの薄刃ニッパーであればギリギリをカットしてもゲート跡はあまり目立たないので、問題無いと思います。
個人的には、確実にキレイに処理したい場所の場合は、ゲートを残し気味にしてデザインナイフやペーパーで仕上げて、そこそこで良い小さな部品などは普通にギリギリでカットしてます。
ただ、ぎりぎりでカットした場合でも、デザインナイフやペーパーで軽く均しておく場合が多いです。あと、細くて折れやすい部品は、端の方から切り離していくと折れにくいと思います。
3.透明パーツの切り離し方
透明パーツは通常のパーツに比べて脆く、ヒビが入りやすいので、ギリギリでカットすると、左の写真のように白くめくれてしまいやすいです。
こうなると修正のしようが無く、完成後に見えない所なら問題無いですけど、見える場合はどうにもならないです。。
なので、透明パーツは小さな部品でも必ず部品から少し離れた所を切り離して、残ったゲート跡はデザインナイフやヤスリで仕上げた方が安全です。
特にゲートが幅広いパーツの切り離しは、透明パーツの中でも注意が必要です。
こういった幅広のゲートの場合、部品から離れた所をニッパーでカットしても、部品にヒビが入ったり白くめくれたりする場合があります。
特に写真の場合はニッパーが入るスペースも無いので、こういった場合はエッチングノコギリを使ってカットしていきましょう。写真はハセガワの「TP-3 モデリングソー」を使用。力はあまり入れず、何度も往復させてカットしていきます。
カットできました。残ったゲート後はある程度まではデザイナイフ等でカット。このとき刃は新品を使い、少しずつカットしていきます。一気にカットすると断面が白くなり、目立つ可能性大です。切れ味の悪い刃でも白くなりがちで、キレイになりにくいです。
最後はペーパーがけでキレイにします。写真は800番で面を整え、1200番でなめらかに仕上げてます。
エッチングのこぎりが無い場合は、Pカッターでも代用出来ます。
軽い力で何度もひっかくようにゲート部分に浅いV字溝を掘り、9割程掘れたら何度か折り曲げてそのまま切り離すか、デザインナイフ等でカットします。
リューターがあれば、ノコギリ状の円盤ディスクでカットすると、あっという間にカット出来て便利です。
4.メッキ部品の切り離し、ゲート跡処理
メッキ部品の切り離しは、アンダーゲートになっているパーツは丁寧にゲートを切り離せば、カット跡は見えなくなるので問題無いんですが・・
問題なのは、普通のゲートの切り離し跡。
A.つや消しメッキパーツのゲート跡処理
写真の様な感じで、ゲートを切り離した所のメッキが無い状態になって、目立ってしまいますよね。このゲート跡はつや消しのメッキなら、タミヤの「ペイントマーカー X-11 クロームシルバー」がメッキと同じような色で、比較的目立ずタッチアップできます。
ペイントマーカーはエナメル溶剤で用具の手入れをするよう記載があるので、エナメル系塗料だと思いますけど、通常のビン入りエナメルのクロームシルバーより輝きがある気がしてます。
ペイントマーカーの先に小筆をこすって塗料を移し、ゲート跡に塗ってやるとあまり目立たずに修正出来ます。マーカーで直接塗っても問題ないですけど、付きすぎたりしないよう注意しておきましょう。
B.つや有りメッキパーツのゲート跡処理
艶有りのクロームメッキパーツは、塗装だと塗ったところが分かってしまうので、ハセガワの「ミラーフィニッシュ TF-1」を貼って処理すると、けっこう目立たずに仕上がってくれます。
「ミラーフィニッシュ TF-1」をゲート跡より少し大きめにカットして、ゲート跡部分にピンセットで貼り付けます。
あとは、綿棒等で押さえて密着させれば完成です。パッと見は輝きも同じような感じで、けっこうパーツに溶け込んでくれてますが、近くで見ればやっぱりシールを貼ってるのは分かります。
完璧に処理したいと言う場合は、メッキを剥がして塗装するしかないかな、と思います。
ただ、「メッキシルバーNEXT」で塗装するとある程度メッキと同じ輝きが再現出来ますけど、艶有りのピカピカのメッキは塗装での再現はち無理です。なので、メッキを剥がすかどうかはケースバイケースで対応していくと良いと思います。