プラモデルの下地色が上塗り塗料の発色に与える影響
隠蔽力の低い明るい塗料を塗る場合、下地の色によって仕上がりが大きく変わってきます。
赤とか黄色とか、明るくて鮮やかな色は下の色を隠す力(隠蔽力)が弱く、下地がブラックやグレーだとキレイに発色してくれないんです。
そこで、どの程度下地の色が影響してくるのかいくつか試して見ました。
下地色による発色の違い
下地色がホワイト、ピンク、グレー、ブラックの4種類の上に、Mr.カラー「68 モンザレッド」を1~4回塗装して、発色にどの程度影響があるか試してみました。
写真だとちょっとわかりにくいですが、下地色がホワイト、ピンクの2つはほぼ色合いが変わらず(1回塗りだと、白の方が若干色みが浅い感じ)、2回塗りの時が最も鮮やかに発色しているように思います。
4回まで塗り重ねていくと、少し暗く沈んだような赤になって鮮やかさが失われてきてしまってます。
逆にグレー、ブラックは回を重ねる程に赤みが増して行きますが、鮮やかな本来の赤に発色することはなく、暗く沈んだ色のままです。
赤を塗る場合は下地を白かピンクで塗装し、2~3回塗りで仕上げるとキレイに発色してくれるんじゃないかなと思います。
それと、下地色が白の場合キレイな赤色に発色するんですが、ムラが出やすいので、ムラが出ないように注意が必要。下地がピンクだと色ムラが目立ちにくいので、赤色の塗装は下地をピンクに仕上げておくと、塗装が簡単になると思います。
赤以外でも、黄色などの薄く淡い色は下地の色が透けやすいので、明るい色は下地を白で仕上げておくようにするとキレイに塗装できます。
ホワイトサフ、各種ホワイト塗料の隠蔽力比較
ホワイトサフやホワイト塗料で下地を作る場合でも、それぞれの塗料で隠蔽力も違ってきます。
そこで、ブラックの下地に各種ホワイトサフ&ホワイト塗料を1~4回塗って、どの程度下地を隠せるか試してみました。
下の写真の上から順に、
- クレオス「ベースホワイト1000」
- タミヤ「ファインサーフェイサー ホワイト」
- クレオス「ホワイトサーフェイサー1000」
- クレオス「GX1 クールホワイト」
- クレオス Mrカラー「1 ホワイト」
- 白いプラ板にMrカラー「1 ホワイト」を吹きつけた白見本
で試してみてます。
缶スプレーのサフは空き瓶に移し、全てエアブラシで吹きつけてます。写真だと、色の感じが実際とはちょっと違う感じなんですけど、参考までにご覧下さい。
結果として、この中で最も隠蔽力が高いのは、クレオス「GX1 クールホワイト」。GX1は3回塗った時点で殆ど下地のブラックを隠し切れてます。
ただ、4回塗った時点でも白見本と比べると若干暗く沈んだような発色です。クールホワイトはちょっと寒色系というか蛍光色っぽいと言うか、非常に爽やかな感じの白なので、元々の塗料の色合いなのかもしれません。
次に隠蔽力の高いのは、タミヤ「ファインサーフェイサー ホワイト」とクレオス「ホワイトサーフェイサー1000」。若干タミヤのホワイトサフの方が隠蔽力が低い気もしますが、ほぼ同じ程度の隠蔽力です。
これも3回塗った時点でだいたい下地のブラックは隠せてますが、やはり白見本と比べると、4回塗っても若干暗く沈んだ白に仕上がってしまいます。
次がクレオスの「ベースホワイト1000」。これは3回塗った時点でも、ちょっと下地の黒をかくしきれてない感じ。4回塗りでも、上記3つの塗料より暗い感じです。
「ベースホワイト1000」を使うなら、「GX1 クールホワイト」を使った方がより下地を隠せると思います。ベースホワイトの方はつや消しなので、艶有りで仕上げる場合は塗装面が荒れ気味になるので、この点でもちょっとデメリットあります。
最後、最も隠蔽力の低いのはクレオス Mrカラー「1 ホワイト」。これは普通の白塗料なのでどうしても無理がありますね。。4回塗っても下地の黒を隠しきれませんでした。