艦船模型の空中線(金属線)の張り方
1/700ウォーターラインシリーズや1/350等の艦船模型に、空中線(張り線)を張ってみましょう。艦船模型に空中線を張ると、一気に精密感が出て完成度も高まります!
空中線の材料としては、伸ばしランナーや釣り用のナイロン線、金属線、ストッキング等色々ありますが、オススメは鮎釣り用の金属線です。
個人的に使っているのは、サンラインというメーカーの鮎釣り用の直径0.047mmの物ですが、モデルカステンというメーカーから「メタルリギング」という模型用の物も発売されてます。
金属なので強度的に安心で、色も黒に近い色なので着色の必要もありません。金属線そのものに弾性があるので、線をピンと引っ張りながら接着する必要が無いので、マスト部品の強度も不要です。
そして何より、空中線の自然な弛みが再現できるというのが最大のメリットだと思います。1/700だと直径0.047mm、1/35だと直径0.1mm程度でちょうど良い具合に張れると思います。
では、実際に空中線を張ってみましょう!
空中線の貼り方
今回使った金属線は、サンラインのMETAL FLEX 0.08号(直径0.047mm)です。
金属線そのものに弾性があるので、マスト間の距離が短い駆逐艦クラスの船であれば、そのまま金属線を置いてもちょうど良い具合に垂れてくれます。
なので、マストに瞬着をちょっとつけて、そのまま金属線を置くような形で接着するとOKです。
これが巡洋艦クラス以上の船になると、マスト間の距離があるのでそのまま金属線を置くと垂れ下がりすぎてしまいます。
このまま片方を接着してから金属線を引っ張り、もう片方を接着すると、最初に固定した部分の線の角度と線全体の弛みが一致せずに、不自然になってしまいます。なんというか、キレイなラインを描いて固定できないんですよね。
かといって、片方をピンセットなどで持ち上げて固定すると、接着剤が固まるまで動かさずに持っておく必要があるんですけど、これがなかなか難しい。
どうしても動いてしまったり、またマストに3本4本と金属線を並べていく中で、金属線の垂れ具合等をキレイにそろえるのも難しいです。
そこで、ワークスタンドを使って空中線を張って行きます。これはホームセンターで1000円程で買ったものです。
まずは、ワークスタンドのクリップ部分に強力両面テープを貼り、そこに接着する部分よりも長めに切った金属線を固定します。
固定する時には、金属線が自然に垂れ下がる方向を確認して、その位置のまま固定しておきます。そうでないと、横方向はキレイでも前後方向から曲がって見えてしまいます。
後はアーム部分の角度や幅を変えながら、好みの垂れ具合になるように固定したいマスト部分に合わせていきます。
位置を合わせる時は横方向からだけでなく、正面や後ろ方向からもまっすぐ下に垂れ下がっているか確認しておく事をオススメします!
横から見たときはキレイなラインで接着できてても、正面や後ろから見るとラインが曲がってる事がありますから。
左の写真なんかも、後ろから見るとけっこう横方向に曲がってしまってますけど、こうなってしまうと見苦しく、ショボイ模型になってしまいます・・。
位置を合わせたら、伸ばしランナーの先に瞬間接着剤を付けて、金属線を固定していきます。ゼリー状と液状を混ぜて使ってます。
線の位置は固定されてるので、接着自体はそんなに難しくはないと思います。
接着剤が固まったら、ニッパーなどで余分な金属線を切り離していきます。ニッパーはタミヤの薄刃ニッパーを使ってます。本来はプラスチック専用なんですけど、線が細いので刃も特に問題なさそうです。
切り離す時には金属線が弛む方向に、多少力を加えるようにしておくと、接着した部分が外れる事も少なくなると思います。金属線を引っ張る方向に力が加わると、場合によっては接着部分が外れたりしますので。
他の場所も同じようにワークスタンドに金属線を固定して位置を合わせて固定していきます。
空中線の途中にさらに線を追加する場合は、固定したい部分に瞬間接着剤を付けて、金属線を追加。
ニッパーでカットしてやります。
空中線を貼り終わったところ。
あとは、空中線に碍子をつけて完成です。
横・前後方向から見て、空中線全体の弛みや角度などがキレイに揃ってると、かなりイイ雰囲気で仕上がるので、やる価値は大いにあると思います!