プラモデルのブリード対策
ブリードというのは、パーツ成型色が塗装面に浮き上がってくる現象のことです。どうも染料を使って着色してあるプラスチックで起きるみたいで、特にレッドやイエロー等鮮やかな色でなることが多いです。
このブリード、すごくやっかいで怖いです・・
このページでは、ブリードの対策方法など紹介してみたいと思います。
キット成形色の染みだし防止方法
左の写真はキット形成色が赤で、ピンクサフ → レッドで本塗装 → デカール貼り → ラッカークリアー塗装と進みましたが、形成色の赤い染料がクリアー層にまで染み出して、デカールを黄色く変色させてしまいまいた。(変色は右のパーツのみ)
基本的に赤形成色の上に赤の塗料を塗るような場合、染み出しがあっても目立たないんですけど、このケースはデカールが白だったので目立ってしまったみたいです。
ただ、レッドやイエローだと必ずブリードがおこると言うわけでは無いです。染料ではなく顔料で着色されているパーツであれば、染みだしは起きないみたいです。
見分け方としては、ランナーをラッカー系シンナーに30分程浸してみて、シンナーに着色があればブリードの可能性がある、と思って間違いないです。
上の写真はランナーを短く切って、ラッカー系シンナーに30分ほど浸した状態。グレーのランナーは透明なままですけど、レッドとイエローのランナーは染料が溶け出して、完全に着色してしまってます。
ブリードの対策としては、粒子の細かいシルバーを塗装して金属膜を作っておくと、ある程度防げます。クレオスの「8 シルバー」は金属粒子が非常に細いので、ブリード対策に効果的です。
シルバー単独で塗るほか、サーフェイサーにシルバーを混ぜて塗っても、そこそこ効果あります。
キット形成色が赤や黄色でシンナーに着色が合った場合は、念のため一度シルバーを吹いておくと良いと思います。
蛍光色等、染料系塗料のデカールへの染み出し対策
この色の染み出しは、蛍光色などの染料を使った塗料でも同じように起きる可能性があります。
写真左は「アサヒペン 蛍光レッド」の上にデカールを貼り、クリアーを塗装したものですが、蛍光色がクリアー層にまで染み出してしまい、デカールを染めてしまいました。
元々は白いデカールだったんですけど、完全なピンク色になってしまってます ToT
このデカールへの染み出しを防ぐには、一番は顔料系の塗料を使うということ。染料系は危険です。
上のケースの場合、マスキングして再度ホワイトを塗装したところほぼ修正出来ましたけど、もし染料系の塗料を使った場合は、上に吹くクリアー塗料をウレタン原液吹きにすると、多少ブリードしにくくなります。
右の写真は、プラ板にアサヒペンの蛍光レッドを塗装した上に白色のデカールを貼り、左側はラッカー系クリアー(ソフト99ボデーペン)を、右側はウレタンクリアー原液(フィニッシャーズGP1)を塗装してみた状態です。
ラッカークリアーの方は慎重に砂吹きを5回ほど行ったんですけど、デカールがピンク色に染まってます。右側のウレタンクリアー原液を吹きつけた方も多少染み出しはあるもののそれなりに白さを保ってます。
ウレタン原液だとシンナー成分が含まれてないので下地を侵しにくく、結果として染み出しもあまり無いのかな、と思ってます。正確な理由は分りませんけど。
メーカーによって違って来る所もあると思うので何とも言えませんけど、ラッカー系のクリアーよりはウレタンの方が安全だと思います。
でもやっぱり一番は顔料系の塗料を使うことで、染料系の塗料の上にデカールを貼って、クリアーを塗るのは止めておいた方が無難だと思います。